2020年 11月17日から発売されたM1チップ搭載のMacをはじめ、
M1 Pro、M1 Max搭載のMacbook Proが発売されました。
これらはハイパフォーマンスであるとともに、脅威のバッテリーライフを実現させており、そのポテンシャルが多くの注目を集めています。
そんなM1が光とするなら、影となってしまったのはintel版Macの存在。
intel版Macは、M1のマックと比較すると、性能の割にバッテリー持ちが良いわけではありません。
私Jinは、16インチの大画面を「安く」求めた結果、2019年の16インチMacBook Proを購入しました。しかもM1 MacBook Airを手放して...
しかし!MacOS Montereyで低電力モードが登場したことにより、このM1一強を打破することができる可能性があるのでは...?
そう考えたJinは、MacBook Pro 2019 16インチで低電力モードがどれだけ力を発揮するのか検証したのでした。
この記事でわかること
- IntelCPU搭載MacBook Proにおける、低電力モードの効果
- 低電力モードのしくみ
- 低電力モードが力を発揮するポイント
低電力モードの検証方法
検証方法を記します。個人の検証のため、厳密なものでないということをご了承ください。
使用機材:MacBook Pro 2019 16インチモデル
スペックは以下の通り。基本の吊るしモデルとなっています。
- i7 2.6GHz
- メモリ16GB
- intel UHD Graphics 630
- radeon Pro 5300M
中古で購入したため、バッテリーはやや消耗していると考えられます。
ただし、インテル版CPU搭載のMacは、発売されて数年経ったものがほとんどだと思うので問題はないと思います。
macbook proの検証条件
検証は以下の条件で行います。
- OS:macOS Monterey バージョン12.0.1
- 使用ブラウザ:Chrome
- 音量:4
- 明るさ:10
- バッテリー:100%スタート
- 3時間検証で一時間ごとにバッテリー消費量をみる
低電力モード検証の作業内容
低電力モード使用時と未使用時における、以下の違いを調査しました。
(主観を含む調査であることをご了承ください)
- バッテリー消費量の違い
- 使用感の違い
バッテリー持ちの検証:Youtube 4K動画4本同時再生
- 再現可能な動作であるため
- 他の方による、M1 MacBookでの低電力モード検証に使用されていたため
- 検証が簡単でめっちゃ楽(一番重要。嘘です)
使用感の検証:ブラウザ数ページ、文書作成
低電力モードで使用感が変わるのかの検証も行いました。
MacBook Proを日常使用をしてみた時の、使用感の違いを感じるかに注目しました。
低電力モードの検証結果
バッテリー消費量:低電力モードはほとんど効果なし!
使用時間 | 低電力モードOFF | 低電力モードON |
1時間 | 74%(-26%) | 75%(-25%) |
2時間 | 42%(-32%) | 45%(-30%) |
3時間 | 8% (-34%) | 13%(-32%) |
まじ?全然差がないじゃん...
結果は以下の通り。
- 時間毎のバッテリー消費量に1~2%の差
- 3時間で5%の差が現れた
低電力モードの効果が大きい!といえる結果ではありませんでした。
両者とも、一時間あたりに30%近くのバッテリーを消費しています。
低電力モードOFFとONの、一時間当たりのバッテリー消費量は、その差1~2%!
最終的なバッテリー差は5%と、まぁ...ちょっとは違いが出たかな...?という程度。
有意差があるか...と言われると微妙なところ。
4K動画再生ではとても効果があったとは言えませんね。
使用感:低電力モードON /OFFで違いほぼなし!
Macbookの使用感については、低電力モードの有無では特に違いを感じられませんでした。本当に何も変わらない。
CPU温度も見ていましたが、基本的に40℃~50℃を移動する感じ。
コラム
M1 Pro、Max搭載モデルの場合、低電力モードにするとPro Motion(リフレッシュレートがぬるぬるになる機能)が自動でOFFになる。
そのため、M1 Pro以上のmacbookをbookを使用している方は注意。
MacBookProの低電力モードONでもバッテリー消費に差が出ない理由
それは低電力モードの原理が関係していると思われます。
Apple公式では、低電力モードについて以下の記述があります。
低電力モード
https://www.apple.com/jp/macos/monterey/features/
システムのクロック速度とディスプレイ輝度を落として、バッテリーを長持ちさせます16
MacBookでの低負荷作業では、電力を抑えるまでもない
アップルさんが言っていることを見る限り、
低電力モードはCPUやGPUのクロックダウンによるバッテリー消費を抑えるメカニズム。
つまり、PCのパフォーマンスを落とすことで電力消費を抑えているようですね。
今回の検証のような低負荷だと、パフォーマンスを落とす判断の閾値まで負荷が到達していない可能性があります。
という声がMacbookから聞こえました。間違いありません。
4K動画再生4窓では3時間後に5%の差が出たので、ほんの少しだけ効果があったと言えます。
しかしブラウジングやwordなど低負荷の作業では、インテルCPU Macbook Proの低電力モードは全く効果を発揮しない可能性も考えられますね。
余裕で動作してるんだから、わざわざパフォーマンスを下げることはしないぞ?
あ...そうっすね...
...今回の検証は、私はMacbookくんに対する無礼に働く行為だったのかもしれません。
そもそも何も抑えてないから、パフォーマンスも下がらない
この考察から導き出されるのは、低電力モードを有効にしていても、低負荷時であればパフォーマンスが下がる心配はしなくて良いということでしょう。
実際、調べ物や動画再生、文書作成を行なっても、低電力モードのオンオフによって動作が変わったと感じませんでした。
そもそもクロックを下げている様子もないので、当然といえば当然ですね。
低電力モードのポイントは「PC負荷の大きさ」
逆に動画編集のような、MacBookのパワーが必要な作業では、低電力モードが力を発揮するでしょう。
M1チップ搭載のMacBookでは、動画編集時に低電力モードの効果が発揮されたという報告があります。
その分パフォーマンスは低下しますが、それ以上にバッテリー消費を抑える効果の方が大きいようです。これはintel版のマックブックでも同様の効果がある可能性が高いでしょう。
つまり、ある一定以上の負荷がかかるような作業をするかどうかで、低電力モードが力を発揮するか左右されることが言えますね。
まとめ
今回はインテル版CPUのMacBook Proを使用して、macOS Montereyの低電力モードの検証を行いました。
結果として、M1チップ搭載MacBook同様、インテル版マックブックプロでも低負荷作業ではあまり差が見られませんでした。
4kの4窓よりも高い負荷でないと、低電力モードの効果は実感できるほど強力ではないようです。
低電力モードが力を発揮しない作業例
したがって以下のような作業では、低電力モードの恩恵はあまり受けられないかもしれません。
- ネットサーフィン
- プログラミング学習
- 文書作成
低電力モードが力を発揮する作業例
逆に以下のような作業では、低電力モードが効果を発揮すると思われます。外出先で作業をする場合は、積極的にONにすると良いでしょう。
- 動画編集
- Adobeソフトなど、高負荷なソフト
- ビデオ会議をしながらの作業
Jinとしては、バッテリー使用時は低電力モードを常時ONでも良いと思います。
低負荷時なら使用感に変わりはありませんでしたし、数%でもバッテリー消費を抑える効果があるなら、ないよりマシと思いますね。
もう少し低電力モードの効果があってもいいと思ったんですけどね...intel Macに救いはないのか...!?
ここまで読んでくれた、そんなあなたが大好きです。