どうも、じん(@pc16691297)です。
突然ですが「ROCCAT」というメーカーをご存じでしょうか?日本ではLogicoolやRAZER 、stealseriesなどが有名だと思うんですが、私が密かに推していきたいメーカーがROCCATなんですよね(というかイチ推し)。以前まではゴツゴツしたデザインで機能を盛り込んでいた印象でした。しかし最近はその方針を変更し、機能性と美しさを両立させたものとなっています。
今回は生まれ変わりつつあるROCCATから満を持してリリースされたVulcan AIMOシリーズの三代目、Vulcan 122 AIMOをレビューしていこうと思います!
なお今回は私が今まで愛用していたLogicool G413と適宜比較しながら紹介します。
Vulcan 122 AIMOのスペック
高さ: | 3.20 cm |
幅: | 46.20 cm |
長さ: | 23.50 cm |
重さ: | 1150 g |
アクチュエーションポイント(タクタイル、サイレント):1.8mm |
スイッチトラベルディスタンス:3.6mm |
統合マクロ&&設定メモリ:512kb |
すべてのキーが再配置可能 |
ROCCAT® Easy-Shift[+]™ テクノロジー |
32ビットARM Cortex-M0プロセッサー |
1.8m USBケーブル |
1000Hz ポーリングレート |
ROCCAT® Swarmソフトウェアスイート |
1680万色のキー単位RGBイルミネーション |
付け外し可能なエルゴノミクスパームレスト |
価格はブログ執筆時点(2020 1/19)で21082円。キーボードの中では結構良い値段するんですよね。果たしてその値段の価値はあるのでしょうか?
いざ開封!パッケージと付属品はシンプル
箱は至って普通でした。キーボードが大きく写っているデザインとなっています。
開封してみると、まず目に飛び込んでくるのがパームレスト。Vulcan122 AIMOには初めからパームレストが付属しています。
サイズ感はやや大きめといったところでしょうか。ボディ部分が大きく、キーとの感覚がG413と比較して広めに取ってあることがわかりますね。
付属品はとてもシンプル、無駄のない内容
付属品はパームレストの他にQuick Installation Guide、Disposal Infomation、おなじみのシールでした。Quick Installation Guideの裏面は右の写真のようにポスターになっています。シンプルでかっこいいデザインなので飾ってもいいかもしれません。
本体デザインをチェック!
さあ続いて本体のデザインをチェックしていきましょう!
アルミ筐体に美しいホワイトキーキャップが特徴
本体には削り出しアルミ板に茶軸キースイッチが生えている状態です。そのためスイッチ部分が表に出ているようなデザインとなっています。
そして何よりも特徴的なのがキーキャップ。非常に薄く仕上げられており、今までのキーボードには無かった独特のフォルムを作り上げています。
キーキャップが薄いためぐらつくのではないかと思うかもしれませんが、その心配は全くありません。しっかりとキーキャップは固定されており、快適な打鍵感を醸し出してくれます。
裏面はラバーによる滑り止め加工
裏面はキーボード本体、パームレスト共に滑り止めがついているため滑る心配はありません。
チルトは1段階です。ですがパームレストを使用するか否かで高さは変わってくるため、実質4段階といえるでしょう。
パームレストはマグネットで本体とドッキング
パームレストの素材はプラスチックで、非常に軽い印象でした。また、パームレストは本体とマグネットで接着します。強力ではありませんがすぐに外れることもありませんでした。
USBプラグは識別しやすい工夫あり
USBポートにはVULCANと印字してあります。これによりUSBポート部分のみを見てもどれがどれなのか識別しやすくなっています。細かい配慮がありがたいですね。
キーの傾斜はほぼ無し、少し好みの分かれるポイントかも?
形状で大きく違うのがキーキャップの他にキーの高さが変わらないという点です。左のVulcan 122 AIMOは上段から下段にかけてキーがまっすぐ配置されているのに対し、G413はそれぞれの段で傾斜がついていたり高さが異なっています。
このことによるキーの打ち心地は若干変わってくると感じました。私は特に問題なくタイピングすることができたのですが、人によっては違和感を覚えるポイントになると思います。
実際、ノートパソコンのキーボードに慣れていた私の友人は、G413よりもVulcan 122 AIMOの方がタイプしやすいと言っていました。
この点は実際に展示品を触ったりして確認してみることをおすすめします!
使用感
これからは実際に使ってみて気づいたこと、およびその使用感を伝えていきます。
キーは茶軸、タイプ音はおとなしめ
キータイプは茶軸で、無音とはいきませんが比較的静かなタイプ音です。ソフトなクリック感があるのが特徴です。
ROCCATの開発したTitan Switchというものになっているので、一般的な軸と比較してほこり耐性が非常に高くなっています。Vulcan122AIMOの形状と相まって、とても手入れのしやすいキーボードとなっています。
アクチュエーションポイントは1.8mmで、一般的な数値となっています。そのため銀軸のような超低遅延タイプではなく、完全なゲーム用キーボードというよりもタイピングもできる両刀型だと思います。
実際タイピングは非常にやりやすいと感じました。軸によってタイピングのやりやすさが変わるのか?という疑問をお持ちの方もいると思います。しかしこれは紛れもない事実でした。
例えば銀軸であれば指を置いているだけで反応してしまうことがあるくらいなので、正直タイピングには向いていません。Vulcan122AIMOのちょうど良いアクチュエーションポイントの設定と、茶軸という若干のクリック感があるおかげでタイプミスが少なくなったと感じています。
物理操作ボタン、ダイヤルが直感的な操作を可能に
Vulcan122AIMOにはこのように物理ボタンとダイヤルが存在します。左から順にミュートボタン、光量調節ボタン、音量調節ボタンです。ミュートボタンは押すだけでオンオフの切り替えができます。光量調節ボタン、音量調節ボタンは片方ずつしか起動できません。というのもこの二つは右のダイヤルを回して調節をするようになっています。そのためダイヤルの役割を決めるためのボタンと言えるでしょう。
ボタンの押し心地はクリック感はありつつグニッとした感じでした(伝えづらい…)。ダイヤルは少し固めです。止まるポイントはなく、回した分だけ光量、音量を調節するような感じですね。
ROCCAT SWARMはやや癖あり、しかし高性能!
ここからはこのキーボードの真価を発揮するために必要なROCCAT SWARMでの設定について述べていこうと思います。
これが若干癖があって、最初は私も戸惑いました。仕様がよく分からない点が多いのと説明が詳しくないのがちょっと悲しいですが、使いこなせれば心強いパートナーとなること間違いなしです!
なおプロファイルは5つ登録することができ、状況に応じて使い分けることができるのが特徴です。
タイプ音を設定できるという謎機能
これはマジで謎。なんでこんな機能を追加したのか分かりませんが、いろんなタイプ音を楽しむことができます。もちろんオフにできるので自分は付けていませんが、遊び心があることは確かです。ヘッドセットにもボイチェン機能付けたりするような狂ってるところ(褒め言葉)が好きなんですけどね。
それとは別にキーリピートの設定もできます。長押ししている時にどのくらいの速度でキーがリピートされるのか、リピートされるまでの間隔、カーソルの点滅の速度を変更することができるみたいです。
EASY-SHIFT[+]はGame Modeでのみ使用可能
実はキーボード版EASY-SHIFT[+]はGame Mode起動時にしか使えません。これどこにも書いてなかったので書いておきます。詳しく説明していきますね。
EASY-SHIFT[+]とは、EASY-SHIFT[+]を割り振ったキーを押している間は、他のキーが裏モードに切り替わるという機能です。
キーの設定画面はこのようになっています。通常モードのキーは再マッピングすることが出来ません。そのためEASY-SHIFT[+]キーはCapsLockキーとして使うことができます。
再設定可能なのは「ゲームモード機能」と「EASY-SHIFT[+]機能」、そしてFNキー限定で「FN[+]機能」です。
左側のバーをドラッグしてゲームモードおよびEASY-SHIFT[+]に持っていくと設定できます。
設定出来ないものは予めバツマークがつくので分かりやすいですね。
ちなみに、EASY-SHIFT[+]によって役割を割り振ることができるのは赤で囲ったキーのみです。右手はマウスを握っていると想定されているため当然といえば当然ですね。
EASY-SHIFT[+]はマウスにも設定可能!
個人的にここが一番便利だと思ってます。ROCCAT SWARMを利用できるマウスを使っている場合、キーボード側のEASY-SHIFT[+]ボタンをマウスにも適応させることが出来ます!
マウス単体でもサイドボタンにEASY-SHIFT[+]って使うことができるんですが、それだとサイドボタンが一つ塞がることになりますよね。しかも他のボタンを押しにくくなってしまいます。そのためサイドボタンにはEASY-SHIFT[+]キーとして振り分けることが出来ず、その性能を十分に発揮できません。
しかしこれらの問題はROCCATのキーボードをセットで使うことで全て解決できます。キーボードのEASY-SHIFT[+]キーを押している間は、全く別のマウスかの如く使用できます。
この機能で役に立つのはゲームというよりも事務作業やプログラミングなどではないでしょうか?EASY-SHIFT[+]機能に好みの役割を振り分けたり、マクロを予め組んで設定しておくことで作業効率はかなり上がると思います。どんな使い方をするかはその人次第ですが可能性は無限大なので、是非自分に合った設定をしてみてはいかがでしょうか?
マクロマネージャーの使い方
今までで何度か登場した「マクロ」についての説明をしていきます。マクロマネージャーを使えば、自分好みのマクロを組むことが出来ます。ここで作成したマクロはゲームモード機能やEASY-SHIFT[+]などに振り分けることが出来ます。
このマクロはもちろんキーボードだけではなくマウスにも使えます。
これがマクロマネージャーの画面です。左のバーには様々なゲームのマクロが初めから入っています。他の人が作ったマクロのファイルを入手できれば、インポートすることもできます。
新しく自分でマクロを作成するには、左上のフォルダマークを押せばフォルダを新規作成できます。その中にマクロを追加していきます。今回はブログ用マクロという名前を付けてみました。
マクロには種類があり、While Press、On Press、Macro Toggleの3種類があります。
説明のために今回は「A」キーに「こんにちは」と入力するマクロを組んだとします。
While Press
キーを押している間マクロが有効になります。、「A」キーを長押ししている間は「こんにちはこんにちはこんにちは………」とマクロが実行されます。当然キーから手を離せば止まります。
On Press
キーを押した回数だけマクロが有効になります。「A」キーを一度押せば「こんにちは」と入力されます。長押しをしても再度入力はされません。もう一度キーを押しなおせば「こんにちは」と再度入力されます。
Macro Toggle
キーを押した瞬間からマクロを実行し続けます。「A」キーを一度押せば「こんにちはこんにちはこんにちは………」と入力し続け、キーから指を離しても有効のままです。もう一度「A」キーを押せば止まります。
AIMOイルミネーションで美しくライトアップ
最後にイルミネーションについてです。キーイルミネーションはかなり綺麗です。キーキャップの形状と白色が相まって相当派手に光ります。
光り方はいろいろ選ぶことが出来ます。AIMOインテリジェントライティングシステムを選んでおくと、その他のROCCATデバイスと同期したライティングを楽しむことが出来ます。
また、右上のダイヤルを動かした時に色が変化するようなおもしろ要素もありました。でも案外これが分かりやすくて良いんですよ…遊び心があってよろしい。(すき)
総評:価格に恥じぬ素晴らしい性能を持ち合わせたキーボード
いかがだったでしょうか!実はこのキーボードを一番レビューしたかったんですよね。なので長くなってしまいました。申し訳ないです。
ざっくりまとめるとVulcan122AIMOの特徴は
- 軸は茶軸で静かな打鍵音。
- アクチュエーションポイントは1.8mmでゲーム、タイピングどちらも快適
- パームレストは付属していて簡単に着脱可能
- フルサイズキーボードでROCCAT SWARMでの拡張機能が強力
- ライティングがとても綺麗でうっとりできる
といったものでした。
Vulcan 122 aimo をオススメできる人
- ゲームの他にタイピングや事務作業、プログラミングなど多用途で使用する人
- 他のキーボードにはない独特な形状、ライティングを楽しみたい人
- ROCCATが好きな人全員(強制)
このキーボードはゲーム専用にしてしまうのはもったいないと感じました。
もちろんゲームでも素晴らしい能力を発揮してくれると思いますが、その真価を発揮するのは何かの作業する時です。
EASY-SHIFT[+]による機能拡張は他のキーボードには素晴らしい特徴です。パソコンを様々な用途に使用している人にこそオススメしたいです!
Vulcan 122 aimo をオススメできない人
- ゲーム特化のキーボードが欲しい人
- なるべく安くキーボードを済ませたい人
このような人にはオススメできないと思いました。機能は素晴らしいとは言ってもやはり価格は高いので、値段を気にしている人には他の選択肢があると思います。そしてその機能はゲームの時に力を発揮しづらくなっています。ゲーム専用キーボードとしての購入は一度考えた方がいいかもしれませんね。
最後になりますが、私はVulcan122 AIMOは価格以上の価値を見出すことができました。もし購入を迷っている人がいれば、きっとその期待をいい意味で裏切ってくれることでしょう。
私の記事がその一助となれば幸いです。それでは皆さん良いキーボードライフをお送りください。
追記:ROCCAT VulcanシリーズにTKL(テンキー無し)が発売されました
ついにROCCAT Vulcanシリーズにテンキーレスが仲間入りしました!待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?
ゲーム用途だとテンキーがあるとマウスに当たってしまい邪魔だという人も少なくないと思います。
日本語配列(JIS配列)と英語配列(US配列)の2種類展開です。