お久しぶりです、Jinです。
この記事は一言で言うと
RyzenのCPUとマザーボードの互換性について解説した記事
になります。
- このCPUには、どのマザーボードが対応しているの?
- CPUとマザーボードの互換性一覧表が欲しい!
- 具体的にどうやってCPU・マザボを選べばいいの?
このようなことを考えているかたにおすすめの記事です。
前半では、CPUとマザーボードの対応表を紹介します。
後半では、CPUとマザーボード選びで必要な知識を解説します。CPUの読み方や選び方を解説します。
それじゃ、やっていこう!
この記事はAMD版CPU・マザーボードについての解説になります。
インテル版については言及はありませんので、あらかじめご了承ください。
この記事でわかること
- AMD Ryzen CPUとマザーボードの互換性がわかる
- CPUの買い替え時期がわかる
- CPU・マザーボードの選び方がわかる
AMD製CPU・マザーボード世代対応表(概要)
まずは世代対応表(概要)です。
- CPU各世代に対応するチップセット
- CPU各世代のソケット形状
- 買い替え目安
こちら3点について掲載しています。
こちらは全体感を把握するためにご利用ください。
CPU世代 | 対応チップセット | ソケット形状 | 買い替え目安 |
---|---|---|---|
6世代 Zen5 (Ryzen 9000) | 600番台 | AM5 | ×(最新) |
5世代 Zen4 (Ryzen 7000) | 600番台 | AM5 | ×(まだ) |
4世代 Zen3 (Ryzen 5000 (Ryzen 5000G) | 500番台 | AM4 | ×~△ (まだ〜 効果あり) |
3世代 Zen2 (Ryzen 3000) (Ryzen 4000G) | 500番台 | AM4 | △~⚪︎ (効果あり〜 買替時期) |
2世代 Zen+ (Ryzen 2000) (Ryzen 3000G) | 400番台 | AM4 | ◎ (買替時期) |
1世代 Zen (Ryzen 1000) (Ryzen 2000G) | 300番台 | AM4 | ◎ (買替時期) |
コラム
Ryzenは世代が上がるごとに、CPU性能も大きく上がる傾向がある。
これから購入するなら、最低でもRyzen3000番台以上は欲しい。
AMD製CPU・マザーボード世代対応表(詳細)
次に世代対応表(詳細)です。
- CPU各世代のCPU具体例
- CPU各世代に対応するマザーボードのチップセット
こちら2点について掲載しています。
実際にCPU・マザーボードを選ぶ際の参考としてご利用ください。
基本的なRyzenシリーズ
まずは基本的なRyzenシリーズの対応表です。
CPU名の後ろに「X」がつく、もしくは何もつかないものが該当します。
CPU世代・コードネーム | CPU具体例 | チップセット具体例 |
---|---|---|
6世代(Zen5) Granite Ridge | RYZEN7 9700X RYZEN5 9600X | B650 B650E X670 X670E A620 |
5世代(Zen4) Raphael | RYZEN9 7900X RYZEN7 7700X RYZEN5 7600X | B650 B650E X670 X670E A620 |
4世代(Zen3) Vermeer | RYZEN9 5900X RYZEN7 5700X RYZEN5 5600X | A520 B550 X570 |
3世代(Zen2) Matisse | RYZEN7 3700X RYZEN5 3600X RYZEN3 3300X | A520 B550 X570 |
2世代(Zen+) Pinnacle Ridge | RYZEN7 2700X RYZEN5 2600X RYZEN3 2300X | A420 B450 X470 |
1世代(Zen) Summit Ridge | RYZEN7 1700X RYZEN5 1600X RYZEN3 1300X | A320 B350 X370 |
これらは内臓グラフィックスがないため、別途グラフィックボードも必要になります。
コラム
1~4世代Ryzenは全てAM4ソケットであり、Biosアップデートをすることで互換性を保つことができる。
ただし、Biosアップデートはマザーボードを壊す可能性があり、初心者の方にはおすすめしない。そのため、素直に対応しているチップセットを購入するのが吉。
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内蔵グラフィックスありRyzenシリーズ
こちらは内蔵グラフィックスありのRyzenシリーズ対応表です。
CPU名の後ろに「G(GraphicsのG)」がついているのが目印ですね。
CPU世代・コードネーム | CPU具体例 | チップセット具体例 |
---|---|---|
5世代(Zen4) | なし(未発売) | - |
4世代(Zen3) Cezanne | Ryzen7 5700G Ryzen5 5600G | A520 B550 X570 |
3世代(Zen2) Renoir | Ryzen7 Pro 4750G Ryzen5 4600G Ryzen3 Pro 4350G | A520 B550 X570 |
2世代(Zen+) Picasso | Ryzen5 3400G Ryzen3 3200G | A420 B450 X470 |
1世代(Zen) Raven Ridge | Ryzen5 2400G Ryzen3 2200G | A320 B350 X370 |
2024年8月時点では、Zen4世代の内臓グラフィックスありRyzenは発売されていません。
Ryzen Threadripperシリーズ
最後に、Ryzen Threadripperシリーズの対応表です。
CPU世代・コードネーム | CPU具体例 | チップセット具体例 |
---|---|---|
5世代(Zen4) | なし(未発売) | - |
4世代(Zen3) Chagall | Ryzen Threadripper Pro 5995WX Ryzen Threadripper Pro 5975WX Ryzen Threadripper Pro 5995WX | WRX80 |
3世代(Zen2) Castle Peak | Ryzen Threadripper Pro 3995WX Ryzen Threadripper Pro 3975WX Ryzen Threadripper Pro 3955WX | WRX40 |
2世代(Zen+) Colfax | Ryzen Threadripper 2990WX Ryzen Threadripper 2970WX Ryzen Threadripper 2950X Ryzen Threadripper 2920X | X399 |
1世代(Zen) Whitehaven | Ryzen Threadripper 1950X Ryzen Threadripper 1920X Ryzen Threadripper 1900X | X399 |
第1世代と第二世代のThreadripperは、チップセットが同じなので、互換性があります。
それ以上になると互換性はないので注意です。
買い時のRyzen CPUを紹介
全体的に優秀なRyzenですが、特にコスパの良いCPUがあります。
ここでは、具体的に買い時なRyzen CPUをご紹介します。新規自作PCやCPUのグレードアップなどにぜひ。
Ryzen5 5600X、Ryzen7 5700X【エントリー・ミドルクラスPCにおすすめ】
初めて自作PCを組み立てる人に特におすすめできるCPUが、Ryzen5 5600XおよびRyzen7 5700Xです。2022年の4月発売と、かなり年季の入ったモデルですが、最新のゲームもしっかり動作する良いCPUです。設定次第で144fps固定も大体いけます。
これらのCPUの魅力は、なんと言ってもコスパの良さ。この性能を持っていて2万円前後で購入できるのはとんでもないことです。具体的に、Intelなら同等のCPUだとi5 13400Fあたりですが、30,000円に近い金額です。
AM4がDDR4にのみ対応という点に注意が必要ですが、エントリー・ミドルクラスのPCであれば、そこまで大きな問題ではないでしょう。
初めての自作PCなら、ぜひ選びたいCPUですね。
ポイント
- 古いCPUにつき相場が狂っている(いい意味で)
- エントリー・ミドルクラスのPCに最適
コラム
AMDはAM4の開発をやめてはいない。
2024年には3D V-Cacheを搭載したRyzen7 5700X3Dを発売し、2025年にもAM4は続投されると言及もされている。*
Ryzen7 7800X3D【ミドルハイ・ハイエンドクラスPCにおすすめ】
AM5からも選びました。おすすめしたいのはRyzen7 7800X3Dです。
7000番シリーズが発売された当初は、CPU以外にもDDR5メモリやAM5マザーボードが非常に高価で、お世辞にも選べたものではありませんでした。しかし、今は価格も落ち着いて、お買い求め安くなっています。
そんな中、Ryzen7 7800X3Dは「3D V-Cacheテクノロジー」を搭載したモデルで、安定して高いフレームレートを出せるのが優秀。*Core i9 13900Kに勝る場面も多く、非常にコスパの高いCPUだと言えます。
その分コア数は控えめで、4kの動画エンコードなどマルチコアが必要な場面ではやや劣る可能性も。FHDであれば問題ないので、真のゲーミングPC用CPUと言えるかも。
*https://ascii.jp/elem/000/004/131/4131663/より
ポイント
- ゲーム用CPUとして、最大限の性能を発揮
- ミドルハイ・ハイエンドCPUとして最適
AMD Ryzen・Intel Coreのどちらを選ぶべきか迷っているあなたへ
IntelとRyzen、結局どっちを選べばいいの?
CPUにはAMD Ryzenの他に、IntelCoreという選択肢があります。
どちらを選ぶべきか悩んでいるあなたへ、「「AMD Ryzen」と「Intel Core」どちらがいい?両者を比較し、選び方を解説したよ。」にて解説しました。
自作PCをしたいと思っているあなたへ
各予算別の自作PCパーツをまとめてみました。
1からパーツを考えるのはハードルが高いかも...
というお悩みをお持ちなら、きっとお役に立てるはずです。
RyzenCPU・マザーボード購入ガイド
これまではRyzenCPU・マザーボードの対応表でした。
ここからは購入するときに注目したいポイントを解説します。
CPU・マザボの互換性を間違えずに買うには、CPU名と箱をよく読もう
AMDのCPUとマザーボードを購入するときは、以下に注目してみてください。
- CPU名にある数字
- 箱についている対応ソケット
CPUの箱には、CPUの世代と対応するソケットの情報が記載してあります。写真を例にすると:
- CPU世代:ZEN3
- 対応ソケット:AM4
ということになります。
マザーボードには、搭載しているソケット、チップセットの情報が記載してあります。写真を例にすると:
- ソケット:AM4
- チップセット:X470
ということになりますね。
この情報を上の表で突合すれば、間違いはだいぶ減るはずです。最後は、ショップの店員さんに聞いてみれば完璧です。
オンラインだとこれらができないので、より注意してCPUとマザーボードの互換性を確認してくださいね。
CPU名は数字に注目しよう
黄色い数字部分がでかいほど強いです。とりあえずそのくらいの認識でOKです。
コラム
AMD公式は、各種数字について以下のように定義している。
- 分類:
- 7:熱狂的なファン向け
- 5:ハイパフォーマンス
- 3:メインストリーム
- パフォーマンスレベル
- 7,8:熱狂的なファン向け
- 4,5,6:ハイパフォーマンス
どのCPUを購入すべきかは、やりたいことに合わせよう
大前提として、これからRyzenを購入するときは3000番以上は必須です。2000番以下だと性能が足りませんし、Windows11非対応です。
その上で、CPU選びのざっくり目安です:
- 軽いゲーム:Ryzen5 4500~
- 144fps:Ryzen5 3600~
- 240fps、動画編集:Ryzen7 5700X~
軽めのゲームなら最安級のRyzen5 4500でいいんですが、ぶっちゃけ3600を選んだ方がいいです。価格差がほぼないですし、性能は3600の方が上です。
PCの予算ベースで考えるなら、大体これくらいが妥当ですね。
- 10万円PC:Ryzen5 3600 or 5600
- 15万円PC:Ryzen 7 5700X~
- 20万円PC:Ryzen5 5700X、7600X~
- 25万円以上:Ryzen7 7700X~
5000番台と7000番台では、CPUの性能差は大きいですが価格差も広がります。それもCPU単体ではなくマザーボードも。
高速なGen4対応のSSDを使いたい場合、AM4ソケットである5000番台Ryzenでは性能を100%発揮できません。
7000番台のRyzenは、PCパーツが全体的に高価になることを理解しておくと良いです。
コラム
Ryzenは15000~20000円の価格帯が壊れている。
Amazonだと、Ryzen5 4500、 3600、5600の価格差は3,000円程度しかない。3600と5600の性能差は割と大きいため、可能であれば5600を選んでおきたいところ。
マザーボードは機能・値段・見た目で絞ろう
CPUとマザーボードの互換性があっていることを前提に、私がマザーボードを選ぶときに注目したいポイントをご紹介。上から順に絞り込んでいけばOKです。
- Wi-Fi、Bluetooth搭載の有無
- 値段
- 見た目
Wi-Fi、Bluetooth搭載の有無
一番はじめに、Wi-Fi、Bluetoothが必要か考える必要があります。ゲームをする上では有線LANを繋ぐのが推奨ですが、あると意外と便利。
ただし必須ではないので、次に説明する値段に合わない場合は、非搭載のものを選びましょう。後から増設もできますので、ご安心を。
値段
次に値段です。PC全体の予算によりけりですが、目安としては15,000~25,000円ほどあると選びやすいです。
CPUやグラボなどの主要パーツほど、マザーボードは優先度の高いパーツではありません。特に10万円ほどの予算では、あまりマザボの選択肢はないかもしれません。
なので、CPU、グラボの主要パーツを決めた後、予算に収まる範囲であることを優先しつつマザーボードを絞り込みましょう。
コラム
AM4で最安で選ぶなら、7500円程度で買える。具体例は後述。
見た目
続いて見た目です。価格帯が低いと似たり寄ったりになりがちですが、それでも好きな見た目であることは大切です。最近のPCはサイドパネルがガラスになっているものが多いので。
先に値段を絞った上で見た目が良いものを選びましょう。
コラム
初心者ならマザボのメーカーはこだわらなくてOK。価格帯が同じであれば、機能や組みやすさは違いが少ない。
AM4でおすすめのマザーボード
これらを考慮して、私がおすすめするマザーボードをいくつか紹介します。まずはAM4から。
AM4で一番おすすめ:MSI MAG B550 TOMAHAWK
AM4でPCを組むなら、MSI MAG B550 TOMAHAWKをおすすめします。
- ヒートシンクがでかい
- CPUへの電力供給性能が高い
- かっこいい
Ryzen9 5900XハイエンドCPUを載せても全く問題なく動作する、とても安定性がありバランスの取れたマザーボードです。何よりかっこいい。イカしてます。
AM4最安マザーボード:A520M-A PRO
AM4最安マザーボードであれば、A520M-A PROがおすすめです。なんと約7000円で買えちゃいます。
- メモリは2枚
- M.2SSDは1枚(Gen3)
- CPU補助電源は4ピン
というような、鬼のコストカットが施されています。
RYZEN7 5700XなどハイエンドCPUを載せようとするとCPU電力供給に不安が残りますが、それ以下であれば十分動きます。激安PCを組みならこれで決まりです。
AM5でおすすめのマザーボード
次にRyzen 7000番シリーズで使える、AM5対応マザーボードを紹介します。
AM5で一番おすすめ:TUF GAMING B650-PLUS WIFI
AM5でPCを組むなら、TUF GAMING B650-PLUS WIFIをおすすめします。
X670EやB650Eは、グラフィックボードのGen5対応が魅力ですが、現段階だと多くの人にとってオーバースペックです。かつX670は選択肢がかなり少ないので除外。
- Wi-Fi・Bluetoothつき
- ヒートシンクが厚い、多いため冷却性能が期待できる
- Flash BIOSに対応
など、長く使える仕様なのでとてもバランスが良いです。それでいて価格も25,000円に収まるくらい。選んで間違いのない商品です。
AM5で最安のマザーボード:PRO A620M-E
AM5最安マザーはPRO A620M-Eをおすすめします。というかこれしか選択肢がないです。こちらも最低限・十分の性能を持ったマザーボードに収まっています。
- メモリは2枚(DDR5!)
- M.2SSDは1枚(Gen4!)
この条件は変わりませんが、CPU補助電源は8ピンになっているので、ハイエンドマザーにもある程度耐えられそう。
まとめ:RyzenはAM4とAM5だけなのでわかりやすい。
この記事のポイント!
- Ryzen2000番をお持ちの方は買い替えかも
- CPUはやりたいことにあわせて買うべし。低価格帯はRyzen3600か5600
- マザーボードは機能・予算・見た目で選ぶべし
さて、締めに入ります。
今回はAMD RyzenのCPU・マザーボード互換性の対応表を紹介しました。既存PCのパーツ買い替えや、自作PCのパーツ集めの際に使っていただけると幸いです。Ryzen2000番を使っているなら、そろそろ買い替えてもいいかもです。
AM4は対応CPUが幅広いので互換性の間違いは少ないと思いますが、インテル版と間違えないようにお気をつけください。
後半ではCPUとマザーボードの選び方を紹介しました。何をやりたいのかを考えつつ、予算の合うCPU、マザーボードを選べばOKです。マザーボードは具体例も紹介したので、ぜひ参考にしてください。
最後まで読んでくださった、そんなあなたが大好きです。