この記事は自作PC及びPC選びの初心者向けの記事です。厳密には違う表現が含まれている可能性があります。
皆さん自作PC楽しんでますか!
…え?まだやったことない?
そりゃ人生の2/5損してますね。今すぐ挑戦してみるべきだと思います。
そんなあなた、もしかしてCPUをどれにするか悩んでませんか?
i7の憧れありますよね。メル○リなどのi7搭載PCを見た時に
「APEX, Fortnite、R6S快適動作!動画編集や配信もサクサク!」
って書いてあって安心しますよね。
うーん、やっぱりCPUはi7一択!他のCPUなんて考えられない!
…そう思ってませんか?
いや、i7は高性能なのは間違いではないんです。
ただし一概にはそうとは言えないところもあるんです。
今回はCPU選びで重要な世代、推奨スペックについて解説します。
この記事でわかること
- CPUの世代の意味がわかる
- CPUのアルファベットの意味がわかる
- ゲームの推奨スペックを素直に選んではいけない理由がわかる
CPUの世代の話
その前に、推奨スペックを理解するための話を少々。
みなさんは、『Core i7』とは言っても様々な種類があるのをご存知ですか?
これどちらもi7のCPUなんですけど、i7の後に数字がついているのがわかると思います。
さらにその最初の数字に注目してもらいたいんですが、3770と6700と書いてありますね。
これがCPUの世代と言われるものになります。(Gen Indicatorというらしいです。)
何が言いたいかと言うと、その世代が高いほど性能が高いということなんですよね。
逆にこの数字が低ければ、例えi7であっても性能はそこまで高く無いということです。
勘の良い人ならもうお分かりかと思いますが、
古いi7はi5どころかi3にすら負けることがあります。
えええ!?どういうこと?i7がi3に負けるわけないよ!
では、実際に古いi7と新しいi3と闘わせてみましょう。
直接対決!i7 3770 VS i3 9100f
今回比較していくのは2012年発売のi7 3770と2019年発売のi3 9100fです。
第三世代のi7はゲームの推奨スペックでよく登場するのですが、一体どれくらいの性能を持っているのでしょうか?
一見するとi7 VS i3ですので、もはやi3 9100fに勝ち目は無いように見えるかもしれません。
しかし、実際に比較していくと面白い結果が出てきました。
今回の比較のためのベンチマークソフトとして「Cinebench R15」を採用しました。
このベンチマークはCPUの理論上の性能をしっかりと反映してくれるのでよく使っています。
しかしこれはあくまでも理論上の数値であるため、ここでのスコアがCPU性能の全てではないという点に注意しましょう。
結果はこのようになりました。
ざっくり結果をお伝えするとこんな感じ。
- i7 3770はマルチコア性能でi3 9100fとさほど変わりがない
- i7 3770はシングルコア性能でi3 9100fに負けている
CPUの性能については大きく分けて一つのコア性能と複数のマルチコア性能の二つに大別されます。
そのうちゲームで重視されるのはシングルコア性能です。
シングルコアの結果を見ると、i7 3770はi3 9100fに負けてしまっています。つまり理論上では新しいi3の方がゲーミング性能として優秀と言えるのです。
マルチコア性能は、同時に様々な処理を行う時に力を発揮します。身近な例としてゲーム配信があげられますね。
マルチコアの結果を見ると、わずかにi7 3770がi3 9100fに勝っています。
しかし、i3と同世代であるi5 9400fと比べればその差は歴然であり、
i7 9700kに至っては倍以上の差をつけられてしまっていますね。
マルチコアでここまで差が開く原因にコア数の違いなどもありますが、
以上の結果より、古いi7では最新のCPUには勝てないということを認識してもらえたと思います。
「i7」以下は使えないと考える思考は危険です!捉え方を変えましょう。
Kってなあに?
さて、次は「K」についてです。
CPUの種類を調べていくうちに数字の末尾に何やら「K」や「T」、「S」や「U」というアルファベットがついているものを見かけるようになります。
ここでは、デスクトップPCを購入する上でよく出てくる「K」について説明します。
KのついたCPUはオーバークロック(通称OC)というものが可能であるというのが一つの特徴で、これが全面的なウリなんですが、実は他にも重要な違いがあります。それは基本クロック周波数の違いです。
参考資料:ちもろぐ i7の悩み「7700無印」と「7700K」はどっちを選べば良いのか?
上の画像の通り、クロック周波数、ブーストクロック共にK付きの方が上回っています。
人間に例えると一般人か普段から体を鍛えているスポーツマンかって感じです。
普通の人よりもパワーを出すことができるという点で似ていると思います。
CPUのKは筋肉のK
そう覚えましょう。
ちょっと待った!ゲームの推奨スペック
やっとここから本題です。
よくゲームの推奨スペックにi7 2700やi7 3770などが表示されていることがありますよね。
確かにこれは間違いではありません。その数値を満たしていれば、ある程度快適にそのゲームをプレイすることができるでしょう。
しかし、その推奨スペックの構成を正直に選ぶのは一度考えてからにした方が良さげです。
増設したい…だけど
他にゲーム配信をしたり動画編集をしたくなった!
最初はそのスペックで満足していても、あとから足りないと感じる場面がくる可能性がありますね。
そんな時はPCのグレードアップを考えると思います。
手軽なのはメモリの増設ですが、もっと性能を上げたいと思ったらCPUの換装が頭に浮かぶのではないでしょうか。
そうなった場合に古いパーツを使用したPCの場合、現在のパーツと互換性がなくグレードアップしにくいという問題に直面するのです。
古いマザーボードと新しいCPUでは互換性がない
実は、古いマザーボード新しいCPUでは互換性がありません。
古いパーツを使用しつつ、新しいCPUを組み込んだPCを組むとなれば、CPUの他にマザーボード、メモリも新しい世代への交換は避けては通れない道です。
それだけでもかなりの出費となり、痛手となってしまうことは容易に想像できます。
中古パーツはどれくらい消耗しているか判断しにくい
そして何より中古パーツを使用するということは、それだけ破損する可能性を孕んでいるということです。
PCのパーツはある程度古いものでも動作することが多いです。
実際に昔のパーツは現在でも出回っているものが多く、それらを愛用している人もいます。
それ自体は悪いことではありませんし、何ならめっちゃ楽しいです。
しかし「初めて新しいPCを買う・組む」となれば話は変わってきます。
前オーナーがそのパーツをどれほど使い込んでいたのか、劣化具合はどれくらいなのか、それらを判断するのはPCを組んだことがある人であっても判断は難しいものです。
しかも中古パーツというものは常に相場が動いており、欲しい価格で手に入るとは限りません。
求めていたパーツとの出会いは一期一会なものが多く、欲しいと思った時に手に入れられるものではないのです。
中古パーツは「入手性の悪いもの」だという認識を持っておいてください。
まとめると
ゲームの推奨スペック通りのPCを購入しようとしてはいけません。推奨スペックを見たときは
- その推奨パーツは新しいものか?
- 新しいパーツで互換するならどのスペックなのか?
ここに注目してPCを選んでいけばOKです!
AMDという選択肢
ここまでIntelのcore iシリーズについて熱く語ってきたわけですが、実は現在自作界隈においてAMDのRYZENシリーズが注目されています。
というのも、RYZENシリーズがcore iシリーズよりも低価格で高いパフォーマンスを得られると言われているのです。
例えば同価格帯であるi7 9700kが8コア8スレッドなのに対し、RYZENシリーズの第三世代であるRYZEN7 3700Xは8コア16スレッドです。
1コアあたりの性能はi7に劣りますが、マルチスレッド処理により快適な動画編集やエンコード、ゲーム配信を可能にします。
ゲーミング性能に関しては、RYZENに最適化されていないゲームはややフレームレートが落ち込みますが(黒い砂漠が代表例)、
i7 9700kと比較して基本的にガクッとフレームレートを損なうことはあまりないでしょう。
その他にもRYZEN3、RYZEN5、RYZEN9シリーズもあります。私自身はRYZEN7 2700Xを使用しています。
RYZENについてはここでは詳しく触れませんでしたが、低価格帯のものからハイエンドまでラインナップは充実しています。
調べてみると面白い記事がたくさん出てくるので是非調べてみてくださいね!
結論:広い視野を持ったパーツの見積もりをしよう
さて、結論に入ります。
自作をするかどうかに限らずですが
- 自分のPCのスペックがどの程度なのか
- どんなパーツ構成なのか
- 自分には今持っているPCが身の丈に合っているのか
これらを理解、把握しておくことは、自身にとってプラスになることが多いです。
次の買い替え時期を考えれたり、すでにその時期が来ていた場合にもすぐに気づくことができますし。
果たして自分には「i7」が必要なのか?どの程度のスペックが自分には必要なのか?
これらを知れば、自ずとパーツ構成は出来上がってくるはずです。細かいところはお店の人や詳しい人に聞けば良いのです。値段とスペックの妥協点を探るのは初めは難しいですからね。
「i7」というネームバリューに囚われずに、広い視野を持って構成を考えていくのがPCの選び方のコツです。
最後まで読んでくれた、そんなあなたが大好きです。